「Neutralizing antibody and its assay」の版間の差分
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+ | |content=[https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1038/icb.1997.10 Black CA. A brief history of the discovery of the immunoglobulins and the origin of the modern immunoglobulin nomenclature. 1997;(July 1996):65-69. doi:10.1038/icb.1997.10]}} | ||
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===免疫グロブリンのクラス=== | ===免疫グロブリンのクラス=== |
2021年7月15日 (木) 14:56時点における版
目次
抗体 antibody と免疫グロブリン immunoglobulin
「抗体 antibody」という用語から下記の構造の分子を思い浮かべることでしょう.
厳密には,物質としての分子を指す場合は「免疫グロブリン immunoglobulin」と呼ぶべきでしょう.
「抗体」とは,何らかの抗原 antigen(の表面の特定のエピトープ epitope)に結合する能力がある免疫グロブリンを指します.
分子の呼称が「免疫グロブリン immunoglobulin」,その抗原(エピトープ)結合機能に目を向けた呼称が「抗体 antibody」と言えるでしょう.
分子としての免疫グロブリン immunoglobulin
免疫グロブリンは下記の構造をしています.
左右対称の構造には,H鎖 heavy chain(図の青色と黄色) と L鎖 light chain(図の緑色と赤色)があります.より長く分子量がより大きい(重い heavy)H鎖は,左右一対で「Y」の字のような形を作っています.より短く分子量がより小さい(軽い light)L鎖は,「Y」の上側を挟むように付いています.
可変領域 variable domain,定常領域 constant region,抗原結合部位 antigen-binding region
H鎖とL鎖それぞれの先端は,抗原(のエピトープ)の形に応じて分子構造がダイナミックに変化する領域であり,「可変領域 variable domain」と呼びます(図の「VH」および「VL」).
可変領域以外のH鎖およびL鎖を「定常領域 constant domain」と呼びます.
VHとVLが組み合わさった箇所で抗原(のエピトープ)に結合します.これを「抗原結合部位 antigen-binding region」と呼びます.
H鎖のアイソタイプ isotype
H鎖の分子構造にはアイソタイプ(同形)が5種類あることがわかっています.5種類のアイソタイプは下記のとおり命名されています.
H鎖のアイソタイプ |
---|
γガンマ |
αアルファ |
μミュー |
δデルタ |
εエプシロン |
ギリシャ文字のアルファベットは「α,β,γ,δ,ε,ζ,……」で,「μ」は12番目です.
5種類がなぜこのような命名なのか,もしアルファベット順ならなぜβがなくて飛び番(?)のμが含まれているのか?
こちらの論文によると,
,種々教科書等を調べましたが不明でした.命名理由が判明し次第追記します.
免疫グロブリンのクラス
グロブリン globulin
ガンマグロブリン,γグロブリン gamma globulin
免疫グロブリン immunoglobulin
臨床検査としての抗体
用語
- 中和抗体 neutralizing antibody
- 中和抗体価 neutralizing antibody titer
- 中和反応 neutralization reaction
- 中和試験 neutralization test
- 中和アッセイ neutralization assay