「Neutralizing antibody and its assay」の版間の差分
ナビゲーションに移動
検索に移動
Vaccipedia.admin (トーク | 投稿記録) |
Vaccipedia.admin (トーク | 投稿記録) |
||
1行目: | 1行目: | ||
− | == | + | ==抗体 antibody と免疫グロブリン immunoglobulin== |
「抗体 antibody」という用語から下記の構造の分子を思い浮かべることでしょう. | 「抗体 antibody」という用語から下記の構造の分子を思い浮かべることでしょう. | ||
17行目: | 17行目: | ||
左右対称の構造には,H鎖 heavy chain(図の<span style="color:royalblue;">'''青色'''</span>と<span style="color:khaki;">'''黄色'''</span>) と L鎖 light chain(図の<span style="color:lightgreen;">'''緑色'''</span>と<span style="color:hotpink;">'''赤色'''</span>)があります.より長く分子量がより大きい(重い heavy)H鎖は,左右一対で「Y」の字のような形を作っています.より短く分子量がより小さい(軽い light)L鎖は,「Y」の上側を挟むように付いています. | 左右対称の構造には,H鎖 heavy chain(図の<span style="color:royalblue;">'''青色'''</span>と<span style="color:khaki;">'''黄色'''</span>) と L鎖 light chain(図の<span style="color:lightgreen;">'''緑色'''</span>と<span style="color:hotpink;">'''赤色'''</span>)があります.より長く分子量がより大きい(重い heavy)H鎖は,左右一対で「Y」の字のような形を作っています.より短く分子量がより小さい(軽い light)L鎖は,「Y」の上側を挟むように付いています. | ||
− | ===可変領域 variable | + | ===可変領域 variable domain,定常領域 constant region,抗原結合部位 antigen-binding region=== |
− | H鎖とL鎖それぞれの先端は,抗原(のエピトープ)の形に応じて分子構造がダイナミックに変化する領域であり,「可変領域 variable | + | H鎖とL鎖それぞれの先端は,抗原(のエピトープ)の形に応じて分子構造がダイナミックに変化する領域であり,「可変領域 variable domain」と呼びます(図の「V<sub>H</sub>」および「V<sub>L</sub>」). |
+ | |||
+ | 可変領域以外のH鎖およびL鎖を「定常領域 constant domain」と呼びます. | ||
+ | |||
+ | V<sub>H</sub>とV<sub>L</sub>が組み合わさった箇所で抗原(のエピトープ)に結合します.これを「抗原結合部位 antigen-binding region」と呼びます. | ||
+ | |||
+ | ===H鎖のアイソタイプ isotype=== | ||
+ | H鎖の分子構造にはアイソタイプ(同形)が5種類あることがわかっています.5種類のアイソタイプは下記のとおり命名されています. | ||
+ | {|class="wikitable | ||
+ | |- | ||
+ | !H鎖のアイソタイプ | ||
+ | |- | ||
+ | |γガンマ | ||
+ | |- | ||
+ | |αアルファ | ||
+ | |- | ||
+ | |μミュー | ||
+ | |- | ||
+ | |δデルタ | ||
+ | |- | ||
+ | |εエプシロン | ||
+ | |} | ||
+ | |||
+ | 5種類がなぜこのような命名なのか種々教科書等を調べましたが,不明でした.命名理由が判明し次第追記します. | ||
+ | |||
+ | ===免疫グロブリンのクラス=== | ||
+ | |||
====グロブリン globulin==== | ====グロブリン globulin==== |
2021年7月12日 (月) 18:47時点における版
目次
抗体 antibody と免疫グロブリン immunoglobulin
「抗体 antibody」という用語から下記の構造の分子を思い浮かべることでしょう.
厳密には分子構造を指す場合は「免疫グロブリン immunoglobulin」と呼ぶべきです.
「抗体」とは,何らかの抗原 antigen(の表面の特定のエピトープ epitope)に結合する能力がある免疫グロブリンを指します.
分子の呼称が「免疫グロブリン immunoglobulin」,その抗原(エピトープ)結合機能に目を向けた呼称が「抗体 antibody」と言えるでしょう.
分子としての免疫グロブリン immunoglobulin
免疫グロブリンは下記の構造をしています.
左右対称の構造には,H鎖 heavy chain(図の青色と黄色) と L鎖 light chain(図の緑色と赤色)があります.より長く分子量がより大きい(重い heavy)H鎖は,左右一対で「Y」の字のような形を作っています.より短く分子量がより小さい(軽い light)L鎖は,「Y」の上側を挟むように付いています.
可変領域 variable domain,定常領域 constant region,抗原結合部位 antigen-binding region
H鎖とL鎖それぞれの先端は,抗原(のエピトープ)の形に応じて分子構造がダイナミックに変化する領域であり,「可変領域 variable domain」と呼びます(図の「VH」および「VL」).
可変領域以外のH鎖およびL鎖を「定常領域 constant domain」と呼びます.
VHとVLが組み合わさった箇所で抗原(のエピトープ)に結合します.これを「抗原結合部位 antigen-binding region」と呼びます.
H鎖のアイソタイプ isotype
H鎖の分子構造にはアイソタイプ(同形)が5種類あることがわかっています.5種類のアイソタイプは下記のとおり命名されています.
H鎖のアイソタイプ |
---|
γガンマ |
αアルファ |
μミュー |
δデルタ |
εエプシロン |
5種類がなぜこのような命名なのか種々教科書等を調べましたが,不明でした.命名理由が判明し次第追記します.
免疫グロブリンのクラス
グロブリン globulin
ガンマグロブリン,γグロブリン gamma globulin
免疫グロブリン immunoglobulin
臨床検査としての抗体
用語
- 中和抗体 neutralizing antibody
- 中和抗体価 neutralizing antibody titer
- 中和反応 neutralization reaction
- 中和試験 neutralization test
- 中和アッセイ neutralization assay