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編集の要約なし
|-
!rowspan="9" style="width:5em"|タンパク質
|rowspan="6" style="width:9em10em"|球状タンパク質<br>globular protein| style="width:9em10em"|グロビン<br>globin
|-
|アルブミン<br>albumin
|'''ガンマグロブリン<br>gamma globulin'''
|-
|colspan="2"|繊維状タンパク質<br>fibrous protein
|-
|colspan="2"|天然変性タンパク質<br>disordered protein
|-
|colspan="2"|膜タンパク質<br>membrane protein
|}
====IgA の発見と命名====
さらに研究が進み,IgG と IgM は共にガンマグロブリンおよびベータグロブリンからも発見されました.一方で,ガンマおよびベータには「IgG でも IgM でもない免疫グロブリン」が混ざっていることがわかってきました.でもない免疫グロブリン」が混ざっていることがわかってきました.それらはいったん「β<sub>2A</sub>グロブリン」および「γ<sub>1A</sub>グロブリン」と命名されます.
それらはいったん「β<sub>2A<その後1959年に,Heremans らによって新しい単一の免疫グロブリンだと確認され,「IgA」または「α免疫グロブリン」に変名されます.「A/sub>グロブリン」および「γ<sub>1A</sub>グロブリン」と命名されますが,後に統一されて「α免疫グロブリン」そして「IgA」に変名されます.「α/A」が選ばれた理由は,変名当時に確立された命名規則に従ったためのようですが,詳細は不明です.α」が選ばれた理由は,変名当時に確立された命名規則に従ったためのようですが,詳細は不明です.
:ややこしいのですが,この「α」はアルファグロブリンとは関係ありません.また,アルファグロブリンからは最終的に免疫グロブリンが発見されることはありませんでした.
====IgD の発見と命名====
IgA に続く1965年,Rowe と Fahey がやはり多発性骨髄腫患者から,既知の IgG/M/A とは異なる免疫グロブリンをガンマグロブリン中から発見します.
この命名は,「IgA が命名されてるんだからお隣の IgB/βグロブリン にしよう」と当初考えられたようです.しかし同時期に,ネズミの免疫グロブリンを「βグロブリン」と命名する話が持ち上がっていました.そこでB/βを避けることとし,その次の「C」にはギリシャ文字に相当するものがないことから却下され,さらに次の「D/δ」が選ばれたそうです.
:なお,ネズミの免疫グロブリンは結局「βグロブリン」とは命名されずじまいだそうです.仮に命名されていたら,ヒトのベータグロブリンとしばしば混同されて大変だったろうと想像します.
 
====IgE の発見と命名====
IgE の明確な同定は IgG/M/A/D に続く1966年のことですが,「アレルギーを持つ個体から別の個体へアレルギーを移植しうる物質」が血清中に存在することは,遡る1890年には既に動物実験で証明されていました.
 
1966年に Ishizaka, Hornbrook, Johansson が,ブタクサ花粉に含まれる何らかのタンパク質が皮膚に紅斑 erythema を生じうることを発見し,その推定原因物質を紅斑 erythema の頭文字から「抗原E」と名付けました.
 
それを受けて,Fahey および Rowe が「抗原E」に反応する特異抗体が新たな免疫グロブリンであることを発見し,「IgE」と命名しました.
 
====IgG/M/A/D/E の命名由来の整理====
以上を整理すると下表のようになります.
{|class="wikitable"
|-
!style="width:2em;"|
!style="width:30em;"|命名由来
|-
!IgG
|ガンマグロブリン '''g'''amma globulin の G
|-
!IgM
|多発性骨髄腫患者血清から分離したマクログロブリン '''m'''acroglobulin の M
|-
!IgA
|当時確立された命名規則に従って(詳細不明)
|-
!IgD
|A に続く B にしたかったが他の命名候補と重なりそうかつ C に相当するギリシャ文字がなかったことから消去法で
|-
!IgE
|アレルギーによる紅斑 '''e'''rythema を生じうる抗原(アレルゲン)に対する免疫グロブリンであるため
|}
 
===現代の生化学および免疫学によるグロブリンの分類===
参考までに,現代の生化学および免疫学では,血清タンパク質は下表のように細分化されています.
 
{{Quote|content=[https://www.jokoh.com/elp/enjoy/enjoy2/e2_elp4.htm どうして?電気泳動|血液はどんな具合に分離されるのでしょうかあ?]
{|class="wikitable"
|-
!rowspan="14" style="width:5em"|タンパク質
|rowspan="10" style="width:10em"|球状タンパク質<br>globular protein
|style="width:10em"|グロビン<br>globin
|style="width:13em;"|
*ヘモグロビン
*ミオグロビン
|-
|アルブミン<br>albumin
|
*プレアルブミン
*アルブミン
|-
|アルファ1グロブリン<br>alpha1 globulin
|
*α1アンチトリプシン
*α1酸性糖蛋白
*チロシン結合グロブリン
*α1リポ蛋白(HDL)
*α1ミクログロブリン
*α1アンチキモトリプシン
*α1フェトプロテイン
|-
|アルファ2グロブリン<br>alpha2 globulin
|
*α2マクログロブリン
*セルロプラスミン
*ハプトグロビン
*レチノール結合蛋白
|-
|ベータグロブリン<br>beta globulin
|
*トランスフェリン
*ヘモペキシン
*βリポ蛋白(LDL,VLDL)
*β1Cグロブリン
*β1Eグロブリン
*フィブリノゲン
*β2ミクログロブリン
|-
|rowspan="5"|'''ガンマグロブリン<br>gamma globulin'''
|IgG
|-
|IgM
|-
|IgA
|-
|IgD
|-
|IgE
|-
|colspan="3"|繊維状タンパク質<br>fibrous protein
|-
|colspan="3"|天然変性タンパク質<br>disordered protein
|-
|colspan="3"|膜タンパク質<br>membrane protein
|}
==分子としての免疫グロブリン immunoglobulin==

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