コロナワクチン 出血傾向患者

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新型コロナワクチン総目次
総論
コロナワクチン_開発と承認の状況
コロナワクチン_ワクチンの製法
コロナワクチン_ウイルス遺伝子の接種に理論的危険性はない
コロナワクチン_抗体依存性感染増強(ADE)について
コロナワクチン_社会的配慮について
コロナワクチン_リンク集
治験+承認後研究
コロナワクチン_ワクチンの効果 Vaccine Efficacy とは
コロナワクチン_mRNAワクチン-治験
コロナワクチン_mRNAワクチン-承認後研究
コロナワクチン_mRNAワクチン-アナフィラキシー
コロナワクチン_ウイルスベクターワクチン-治験
コロナワクチン_ウイルスベクターワクチン-承認後研究
コロナワクチン_今わかっていること,まだわからないこと
接種の実際
コロナワクチン_日本の法令上の根拠
コロナワクチン_日本での接種体制
コロナワクチン_三角筋への筋注手技
コロナワクチン_人口集団別の接種可否の考え方
コロナワクチン_高齢者
コロナワクチン_妊婦
コロナワクチン_挙児希望女性
コロナワクチン_授乳婦および授乳児
コロナワクチン_小児
コロナワクチン_アナフィラキシー既往
コロナワクチン_免疫低下状態・悪性腫瘍患者
コロナワクチン_出血傾向患者
コロナワクチン_新型コロナ既感染者
コロナワクチン_接種スケジュールの遵守
コロナワクチン_異なるワクチン製剤間の互換性
コロナワクチン_他のワクチンとの接種間隔

更新履歴

日付 更新内容
2021年2月16日 一般公開

出血傾向のある患者では筋注後出血に注意

3ワクチンとも投与経路は筋注です.ワクチンの筋注は特別な理由がない限り三角筋を用いますし,3ワクチンとも治験では三角筋にしか投与していません.

アスピリン等による抗血小板療法,ワーファリンやDOACによる抗凝固療法,疾患に伴う出血傾向や血友病等の出血性疾患など,易出血性がある患者では筋注による出血や血腫形成のリスクがあります.

易出血性がある場合のワクチン筋注については,教科書的原則として下記が適用できます.
英国Greenbook(PDF7ページ)も参照してください.

  1. もしも抗血小板療法または抗凝固療法を開始する前に接種が可能ならば,接種中は治療を保留し,2回接種完遂後に治療を開始する.その場合接種から治療開始までは特に間隔を空ける必要はない
  2. もしも出血性疾患の定期治療中であれば,可能な限り治療直後(出血傾向が最も低い時期)にワクチンを接種する
  3. 治療中断が困難な場合や,その他易出血性がある状態で接種する必要がある場合は,なるべく細い針(23G針または25G針;筋肉に届かせるために長さは25mm)を使用し,抜針後は接種部位を2分以上強く圧迫して充分に止血する

もちろん,2.および3.の場合には,注意深く接種したとしても出血が長時間続くリスクや血腫形成のリスクがあることを充分に説明し同意を得る必要があります.

また,疾患主治医に事前にコンサルトすべきであることも当然のことです.

なお,皮下注でも効果と安全性が確認されているワクチンであれば筋注の代わりに皮下注を選択できますが,3ワクチンについては筋注しか検証されていないため皮下注は選択できません.

抗血小板療法等:承認済みワクチンの添付文書記載

開発元 日本での製品名 添付文書の記載
Pfizer コミナティ筋注 9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1 抗凝固療法を受けている者、血小板減少症又は凝固障害を有する者
本剤接種後に出血又は挫傷があらわれることがある。

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