コロナワクチン 新型コロナ既感染者

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新型コロナワクチン総目次
総論
コロナワクチン_開発と承認の状況
コロナワクチン_ワクチンの製法
コロナワクチン_ウイルス遺伝子の接種に理論的危険性はない
コロナワクチン_抗体依存性感染増強(ADE)について
コロナワクチン_社会的配慮について
コロナワクチン_リンク集
治験+承認後研究
コロナワクチン_ワクチンの効果 Vaccine Efficacy とは
コロナワクチン_mRNAワクチン-治験
コロナワクチン_mRNAワクチン-承認後研究
コロナワクチン_mRNAワクチン-アナフィラキシー
コロナワクチン_ウイルスベクターワクチン-治験
コロナワクチン_ウイルスベクターワクチン-承認後研究
コロナワクチン_今わかっていること,まだわからないこと
接種の実際
コロナワクチン_日本の法令上の根拠
コロナワクチン_日本での接種体制
コロナワクチン_三角筋への筋注手技
コロナワクチン_人口集団別の接種可否の考え方
コロナワクチン_高齢者
コロナワクチン_妊婦
コロナワクチン_挙児希望女性
コロナワクチン_授乳婦および授乳児
コロナワクチン_小児
コロナワクチン_アナフィラキシー既往
コロナワクチン_免疫低下状態・悪性腫瘍患者
コロナワクチン_出血傾向患者
コロナワクチン_新型コロナ既感染者
コロナワクチン_接種スケジュールの遵守
コロナワクチン_異なるワクチン製剤間の互換性
コロナワクチン_他のワクチンとの接種間隔

更新履歴

日付 更新内容
2021年2月16日 一般公開

COVID既感染であっても接種は推奨

3ワクチン治験とも,何らかのタイミングで参加者にPCR検査や抗体検査をすることで,治験中(効果判定時期より前)のCOVID新規感染やCOVID既往を検出しています.いずれも全体の数%ではありましたが,安全性評価対象には組み込まれており,接種完遂前の感染または既往があっても有害事象が特に増えないことが確認されています.

また,ごく少数ではありますが,COVID感染からいったん回復した患者が再感染した事例が世界各地から報告されています.

Stokel-Walker C. What we know about covid-19 reinfection so far. BMJ. January 2021. doi:10.1136/bmj.n99

再感染患者の多くは,2回目感染は1回目より軽症で済んでいますが,一部の患者は2回目の方が重症化しており,2回目感染時に死亡した患者もいます.抗体依存性感染増強ADEの可能性も示唆されます(COVIDで真にADEが生ずるか否かはまだわかっていません).

さらに,明確には確認されていない再感染患者(例:初回が無症状または軽症で,2回目で明らかな症状が出たため初めて検査を受けて陽性になった等)が潜在的に一定数いると考えられます.

これらを踏まえると,COVID既往が明らかであってもワクチン接種は推奨されるべきと言えます.

COVID既感染者は1回接種のみでいいかもしれない

COVID既感染者の接種順位は検討してもよい

ただし,残念ながらワクチン供給は今のところ潤沢とは決して言えず,むしろ富裕国が“争奪戦”を繰り広げる様相をWHOから批判される始末です.

WHO Director-General's opening remarks at the media briefing on COVID-19 – 8 January 2021

そういう状況では,COVID既往が明らかな対象者に優先的に接種を勧める理由は乏しいかもしれません.

ただし対象者の元々のCOVID感染リスクと重症化リスクによっては延期せずに早期の接種を検討した方がいいかもしれません.

米国CDC-ACIPの指針も参照してください.

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