コロナワクチン 日本の法令上の根拠

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新型コロナワクチン総目次
総論
コロナワクチン_開発と承認の状況
コロナワクチン_ワクチンの製法
コロナワクチン_ウイルス遺伝子の接種に理論的危険性はない
コロナワクチン_抗体依存性感染増強(ADE)について
コロナワクチン_社会的配慮について
コロナワクチン_リンク集
治験+承認後研究
コロナワクチン_ワクチンの効果 Vaccine Efficacy とは
コロナワクチン_mRNAワクチン-治験
コロナワクチン_mRNAワクチン-承認後研究
コロナワクチン_mRNAワクチン-アナフィラキシー
コロナワクチン_ウイルスベクターワクチン-治験
コロナワクチン_ウイルスベクターワクチン-承認後研究
コロナワクチン_今わかっていること,まだわからないこと
接種の実際
コロナワクチン_日本の法令上の根拠
コロナワクチン_日本での接種体制
コロナワクチン_三角筋への筋注手技
コロナワクチン_人口集団別の接種可否の考え方
コロナワクチン_高齢者
コロナワクチン_妊婦
コロナワクチン_挙児希望女性
コロナワクチン_授乳婦および授乳児
コロナワクチン_小児
コロナワクチン_アナフィラキシー既往
コロナワクチン_免疫低下状態・悪性腫瘍患者
コロナワクチン_出血傾向患者
コロナワクチン_新型コロナ既感染者
コロナワクチン_接種スケジュールの遵守
コロナワクチン_異なるワクチン製剤間の互換性
コロナワクチン_他のワクチンとの接種間隔

更新履歴

日付 更新内容
2021年2月17日 一般公開

日本での新型コロナワクチン接種は「予防接種法」に基づく「臨時予防接種」

日本には「予防接種法(昭和23年法律第68号)」という法律があり,

改正予防接種法における扱い

令和2(2020)年12月9日に予防接種法が改正・公布され,即日施行されました(令和2年法律第75号).

さらに,2021年2月14日にPfizerワクチン「コミナティ筋注」が特例承認されたことを踏まえ,令和3(2021)年2月16日に予防接種法施行令(政令)および予防接種法施行規則(症例)が改正・公布され,即日施行されました(令和3年政令第31号および厚生労働省令第34号).

これらの改正および法解釈の要点は下記のとおりです.

  • 新型コロナワクチンは予防接種法に基づく「臨時接種」として,市町村の事業として実施される.
  • すべての費用を国が負担する.
  • 臨時接種の対象者には「まん延防止のために接種を受ける努力義務」があるが,妊婦は努力義務から除外されている.
  • 努力義務には罰則がないため,接種を受けるか否かは実質的に個人の判断に任されている
  • 重篤有害事象により死亡または障害が残った場合は,予防接種法に基づく救済措置(医療費,手当,年金等の給付)が行われる.
  • 2021年2月現在,臨時接種に使用するワクチンはPfizerのコミナティ筋注のみである.

詳しくは次節の詳細をご覧ください.

改正予防接種法,同施行令,同施行規則の詳細

官報に掲載された改正内容に従い,新型コロナワクチンに限定して改正前の予防接種法(2021年2月17日閲覧)を読み替えると,下表のようになります.

下線は改正または新設された条文,太字は改正による読み替えです.なお,冗長かつ読み替えに支障がない文言は一部明示的に省略しています.

改正予防接種法の読み替え

条文 改正後 改正前
第6条
(臨時に行う予防接種)
1 厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症のまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間及び使用するワクチン(中略)を指定して、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができる。

(2・3省略)

1 都道府県知事は、A類疾病及びB類疾病のうち厚生労働大臣が定めるもののまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者及びその期日又は期間を指定して、臨時に予防接種を行い、又は市町村長に行うよう指示することができる。

(2・3省略)

第8条
(予防接種の勧奨)
1 市町村長又は都道府県知事は、(中略)第6条第1項若しくは第3項の規定による予防接種の対象者に対し、(中略)臨時の予防接種を受けることを勧奨するものとする。

2 市町村長又は都道府県知事は、前項の対象者が16歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者に対し、その者に(中略)臨時の予防接種を受けさせることを勧奨するものとする。

(上記の規定は)新型コロナウイルス感染症のまん延の状況並びに当該感染症に係る予防接種の有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえ、政令で、当該規定ごとに対象者を指定して適用しないこととすることができる。(改正 附則第7条第4項)

1 市町村長又は都道府県知事は、(中略)第6条第1項若しくは第3項の規定による予防接種の対象者に対し、(中略)臨時の予防接種を受けることを勧奨するものとする。

2 市町村長又は都道府県知事は、前項の対象者が16歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者に対し、その者に(中略)臨時の予防接種を受けさせることを勧奨するものとする。

第9条
(予防接種を受ける努力義務)
1 (中略)第6条第1項の規定による予防接種の対象者は、(中略)臨時の予防接種(中略)を受けるよう努めなければならない。

2 前項の対象者が16歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に(中略)臨時の予防接種(中略)を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(上記の規定は)新型コロナウイルス感染症のまん延の状況並びに当該感染症に係る予防接種の有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえ、政令で、当該規定ごとに対象者を指定して適用しないこととすることができる。(改正 附則第7条第4項)

1 (中略)第6条第1項の規定による予防接種の対象者は、(中略)臨時の予防接種(中略)を受けるよう努めなければならない。

2 前項の対象者が16歳未満の者又は成年被後見人であるときは、その保護者は、その者に(中略)臨時の予防接種(中略)を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

第13条
(定期の予防接種等の適正な実施のための措置)
(1~3省略)

4 厚生労働大臣は、定期の予防接種等の適正な実施のため必要があると認めるときは、地方公共団体、病院又は診療所の開設者、医師、ワクチン製造販売業者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(中略)第12条第1項の医薬品の製造販売業の許可を受けた者であって、ワクチンの製造販売(中略)について、同法第14条の承認を受けているもの(中略)又は同法第19条の2第1項の承認を受けているもの(当該承認を受けようとするものを含む。)が同条第3項の規定により選任したものをいう。第23条第5項において同じ。)、定期の予防接種等を受けた者又はその保護者その他の関係者に対して前項の規定による調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

(1~3省略)

4 厚生労働大臣は、定期の予防接種等の適正な実施のため必要があると認めるときは、地方公共団体、病院又は診療所の開設者、医師、ワクチン製造販売業者(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(中略)第12条第1項の医薬品の製造販売業の許可を受けた者であって、ワクチンの製造販売(中略)について、同法第14条の承認を受けているもの(中略)をいう。第23条第5項において同じ。)、定期の予防接種等を受けた者又はその保護者その他の関係者に対して前項の規定による調査を実施するため必要な協力を求めることができる。

第16条
(給付の範囲)
1 新型コロナウイルス感染症に係る臨時の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第1項の規定による給付は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。

一 医療費及び医療手当 予防接種を受けたことによる疾病について医療を受ける者
二 障害児養育年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳未満の者を養育する者
三 障害年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳以上の者
四 死亡一時金 予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族
五 葬祭料 予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者

1 A類疾病に係る定期の予防接種等又はB類疾病に係る臨時の予防接種を受けたことによる疾病、障害又は死亡について行う前条第1項の規定による給付は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める者に対して行う。

一 医療費及び医療手当 予防接種を受けたことによる疾病について医療を受ける者
二 障害児養育年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳未満の者を養育する者
三 障害年金 予防接種を受けたことにより政令で定める程度の障害の状態にある18歳以上の者
四 死亡一時金 予防接種を受けたことにより死亡した者の政令で定める遺族
五 葬祭料 予防接種を受けたことにより死亡した者の葬祭を行う者

第25条
(予防接種等に要する費用の支弁)
1 この法律の定めるところにより予防接種を行うために要する費用は、市町村の支弁とする。市町村が支弁する費用は、国が負担する。

2 給付に要する費用は、市町村の支弁とする。

1 この法律の定めるところにより予防接種を行うために要する費用は、市町村(第六条第一項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)の支弁とする。

2 給付に要する費用は、市町村の支弁とする。

第29条
(事務の区分)
1 第6条及び附則第7条第1項の規定により都道府県が処理することとされている事務並びに第6条第1項及び第3項、第15条第1項(附則第7条第2項の規定により適用する場合を含む。)、第18条(附則第7条第2項の規定により適用する場合を含む。)、第19条第1項(附則第7条第2項の規定により適用する場合を含む。)並びに附則第7条第1項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。 1 第6条の規定により都道府県が処理することとされている事務並びに同条第1項及び第3項、第15条第1項、第18条並びに第19条第1項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
附則第7条
(新型コロナウイルス感染症に係る予防接種に関する特例)
1 厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症(中略)のまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者、その期日又は期間及び使用するワクチン(その有効性及び安全性に関する情報その他の情報に鑑み、厚生労働省令で定めるものに限る。)を指定して、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができる。この場合において、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で円滑に当該予防接種が行われるよう、当該市町村長に対し、必要な協力をするものとする。

2 前項の規定による予防接種は、第6条第1項の規定による予防接種とみなして、この法律(第26条及び第27条を除く。)の規定を適用する。この場合において、第13条第4項中「含む。)」とあるのは「含む。)又は同法第19条の2第1項の承認を受けているもの(当該承認を受けようとするものを含む。)が同条第3項の規定により選任したもの」と、第16条第1項中「A類疾病に係る定期の予防接種等又はB類疾病」とあるのは「新型コロナウイルス感染症(中略)」と、第25条第1項中「市町村(第6条第1項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあるのは「市町村」とする。

3 前項の規定により読み替えて適用する第25条の規定により市町村が支弁する費用は、国が負担する。

4 第1項の規定による予防接種については、第2項の規定により適用する第8条又は第9条の規定は、新型コロナウイルス感染症のまん延の状況並びに当該感染症に係る予防接種の有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえ、政令で、当該規定ごとに対象者を指定して適用しないこととすることができる。

5 厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
一 第1項の厚生労働省令を制定し、又は改廃しようとするとき。
二 第1項の規定による指示をしようとするとき。
三 前項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。

(新設)
附則第8条
(損失補償契約)
1 政府は、厚生労働大臣が新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの供給に関する契約を締結する当該感染症に係るワクチン製造販売業者(前条第2項の規定により読み替えて適用する第13条第4項に規定するワクチン製造販売業者をいう。)又はそれ以外の当該感染症に係るワクチンの開発若しくは製造に関係する者を相手方として、当該契約に係るワクチンを使用する予防接種による健康被害に係る損害を賠償することにより生ずる損失その他当該契約に係るワクチンの性質等を踏まえ国が補償することが必要な損失を政府が補償することを約する契約を締結することができる。 (新設)

改正予防接種施行令(政令)および同施行規則(省令)

予防接種法施行令
附則
(新型コロナウイルス感染症に係る予防接種に関する特例)
6 法附則第7条第2項の規定により適用する法第9条第1項の規定は、妊娠中の者に対しては、適用しない。

7 法附則第7条第2項の規定により適用する法第9条第2項の規定は、前項に規定する者の保護者に対しては、適用しない。

予防接種法施行規則
附則
法附則第7条第1項に規定する厚生労働省令で定めるワクチンは、コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)とする。