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分子の呼称が「免疫グロブリン immunoglobulin」,その抗原(エピトープ)結合機能に目を向けた呼称が「抗体 antibody」と言えるでしょう.
==そもそもグロブリン グロブリン globulin とは==
そもそもグロブリン globulin とは何でしょう?
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/26/Electrophoresis.png
なおこの時代の電気泳動技術では,分子量に従った分別はできなかったようです.つまりアルファ~ガンマは分子量(重さ)順ではありませんし,現代の科学技術では各グロブリンの中に種々の異なるタンパク質が混ざり合っていることがわかっています.なおこの時代の電気泳動技術では,分子量に従った分別はできなかったようです.つまりアルファ~ガンマは分子量(重さ)順ではありませんし,現代の科学技術では各グロブリンの中に種々の異なる分子量のタンパク質が混ざり合っていることがわかっています.
そして次項で解説するとおり,ガンマグロブリンが免疫(抗体反応)に強く関わっていることが20世紀の研究で明らかとなりました.
{|class="wikitable" style="min-width:400px;"
|-
!rowspan="8" style="width:5em"|タンパク質|rowspan="5" style="width:9em"|球状タンパク質<br>globular protein| style="width:9em"|グロビン<br>globin
|-
|アルブミン<br>albumin
|膜タンパク質<br>membrane protein
|}
 ==免疫グロブリン発見と分類の歴史==この項では,グロブリンが免疫に関与していると発見された歴史を振り返ります. 以下,こちらの論文を参照しています.{{Quote|content=[https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1038/icb.1997.10 Black CA. A brief history of the discovery of the immunoglobulins and the origin of the modern immunoglobulin nomenclature. 1997;(July 1996):65-69. doi:10.1038/icb.1997.10]}} ===ガンマグロブリン(γグロブリン) gamma globulin の免疫関与の発見===「血清を電気泳動したら何だか分離できたかたまり」であったガンマグロブリンが免疫に関与していることを最初に発見したのは,TiseliusおよびKabatによる1939年の研究だそうです. 彼らは,#実験動物にオボアルブミン(卵白の主要アルブミン)を感作させ免疫を獲得させる#オボアルブミンに免疫獲得した実験動物の血清を抽出し,オボアルブミン溶液に混ぜる#混ぜた後の血清を電気泳動したところ,ガンマグロブリンだけが減少していたという研究観察を行いました.「オボアルブミンに免疫を有する血清中のガンマグロブリンは,オボアルブミンに結合した」,すなわち「ガンマグロブリンは抗原に結合する抗体として働く」ことが明らかとなったのです. この後で「免疫に関与するグロブリン=免疫グロブリン immunoglobulin」という言葉が生まれ,今日に至るまで「ガンマグロブリン」と「免疫グロブリン」は混同して扱われてきました. 特に,「免疫グロブリンを含む血清由来の製剤」の一般名は現代でも「ガンマグロブリン製剤」で通っています. しかし次項で示すとおり,アルファグロブリンやベータグロブリンにも免疫グロブリンが含まれることが次第にわかってきました. よってあくまでも,*タンパク質 proteinガンマグロブリン=血清の電気泳動に基づくタンパク質の一分類(製剤の一般名として使われることも)**球状タンパク質 globular protein免疫グロブリン =免疫に関与し抗体として作用するグロブリンの機能的分類と区別すべきですね. ===アルファおよびベータグロブリンからの免疫グロブリンの発見===1944年,Waldenstr&ouml;m,Pederson および Kunkel が,多発性骨髄腫の患者の血清から新たな免疫グロブリンを発見しました. 多発性骨髄腫患者の血清を電気泳動したところ,ベータグロブリンのすぐ隣に特異的なかたまりが出現することを発見しました.このかたまりを彼らは「マクログロブリン macroglobulin」と名付けます.:「マクロ」というからには,大きめのグロブリンだと考えたんでしょうか?命名由来まではサイト管理者は見つけられませんでした. 後に1960年代に免疫グロブリンの命名法が統一された際に,彼らが分離したマクログロブリンはその頭文字 M をとって「IgM」と名付けられました.「Ig」は「'''I'''mmuno'''g'''lobulin」を意味する略語ですね.「IgM」とはいわば「免疫グロブリンM」です. 現代では,多発性骨髄腫はB細胞(Bリンパ球)が腫瘍化して増殖する病態であることがわかっています(B細胞リンパ腫).B細胞とはもちろん抗体を産生する細胞ですね.つまり,現代の分類に従えば,1944年の研究対象だった患者は「IgM型多発性骨髄腫」だったようです. 同時に,1939年の研究で発見された免疫グロブリンは,それを含んでいたガンマグロブリンの頭文字 G をとって「IgG」と命名されました.「G」の由来はガンマグロブリンだったんですね.この点でも,「ガンマグロブリン」と「免疫グロブリン」は用語として明確に使い分けるべきです.   **繊維状タンパク質 fibrous protein**天然変性タンパク質 disordered protein」「膜タンパク質 membrane protein」
==分子としての免疫グロブリン immunoglobulin==
 
こちらの論文によると,
{{Quote
|content=[https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1038/icb.1997.10 Black CA. A brief history of the discovery of the immunoglobulins and the origin of the modern immunoglobulin nomenclature. 1997;(July 1996):65-69. doi:10.1038/icb.1997.10]}}
,種々教科書等を調べましたが不明でした.命名理由が判明し次第追記します.
 
===免疫グロブリンのクラス===
====グロブリン globulin====
====ガンマグロブリン,γグロブリン gamma globulin====
====免疫グロブリン immunoglobulin====
===臨床検査としての抗体===

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