「コロナワクチン mRNAワクチン-治験」の版間の差分
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加えて,重症COVIDについても約90%超の VE を示し,少なくとも治験期間中の観察においては,[[#コロナワクチン_ADE 抗体依存性感染増強について|抗体依存性感染増強 ADE]]の懸念を跳ね返しました. | 加えて,重症COVIDについても約90%超の VE を示し,少なくとも治験期間中の観察においては,[[#コロナワクチン_ADE 抗体依存性感染増強について|抗体依存性感染増強 ADE]]の懸念を跳ね返しました. | ||
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2021年3月26日 (金) 22:52時点における版
新型コロナワクチン総目次
総論 | ||||||
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治験+承認後研究 | |||||||
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更新履歴
日付 | 更新内容 |
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2021年1月19日 | 一般公開 |
mRNAワクチン2製剤
mRNAワクチンはPfizer/BiONTech社製(日本名「コミナティ筋注」)とModerna社製の2製剤があります.
mRNAワクチンがヒト用に実用化されたのはこれら2製剤が史上初めてです.
本ページではmRNAワクチン2製剤の治験を対比しながら解説します.
それぞれの治験の phase 3 論文は下記です.
ワクチン | 引用 | 初出日 |
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Pfizer コミナティ筋注 |
Polack, Fernando P., Stephen J. Thomas, Nicholas Kitchin, Judith Absalon, Alejandra Gurtman, Stephen Lockhart, John L. Perez, et al. “Safety and Efficacy of the BNT162b2 MRNA Covid-19 Vaccine.” New England Journal of Medicine 383, no. 27 (December 31, 2020): 2603–15. https://doi.org/10.1056/nejmoa2034577. | 2020年12月10日 |
Moderna | Baden, Lindsey R., Hana M. El Sahly, Brandon Essink, Karen Kotloff, Sharon Frey, Rick Novak, David Diemert, et al. “Efficacy and Safety of the MRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine.” New England Journal of Medicine, December 30, 2020. https://doi.org/10.1056/nejmoa2035389. | 2020年12月30日 |
mRNAワクチン治験かんたんまとめ
2製剤の治験論文の主要なところを整理します.
Pfizer コミナティ |
Moderna | |||||||||||||||||
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参加者 |
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投与法 |
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COVID発症の予防効果 |
2回目接種7日後以降のCOVID発症
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2回目接種14日後以降のCOVID発症
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重症COVIDの予防効果 |
接種後時期を問わない重症COVID
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2回目接種14日後以降の重症COVID
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有害事象 |
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一見してわかるとおり,両ワクチンの治験は非常に似通った結果となっています.
かつ,2回目接種直後(7日or14日後以降)のCOVID発症予防について,vaccine efficacy, VE は95%前後と極めて優れた結果を示しました.
加えて,重症COVIDについても約90%超の VE を示し,少なくとも治験期間中の観察においては,抗体依存性感染増強 ADEの懸念を跳ね返しました.
有害事象については,両ワクチンとも「ワクチンとして当然予想される接種部位疼痛や発熱などの反応性症状」が実薬群で多く観察されたのみで,ワクチン関連が疑われて注意を要する重篤有害事象はほぼありませんでした.
一言で言えば,「効果が期待できて,重篤または接種をためらう有害事象が観察されないワクチンを,よくぞこの短期間で実用化までこぎつけたものだ」と感嘆するレベルです.