コロナワクチン 小児
総論 | ||||||
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治験+承認後研究 | |||||||
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目次
更新履歴
日付 | 更新内容 |
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2021年3月26日 | 一部追記 |
2021年2月16日 | 一般公開 |
小児は初期治験では除外
3ワクチンとも治験参加者は16歳または18歳以上でした.そのため16歳または18歳未満の小児における効果と安全性は確認されていません.
- ※ただし,Pfizerワクチンでは総参加者43,455人中,12-15歳の小児が100人だけ含まれていました.小児100人中に治験期間中のCOVID発症者は実薬群・プラセボ群ともにいなかったものの,追跡における人年法の算出には組み入れられています.この点で,Pfizerワクチンに限っては12-15歳の安全性については限定的ながらも検証されていると言えます.
小児対象の治験が進行中
Pfizerコミナティの用量を変更して効果を確認する治験が進行中ですが,対象者が12歳以上(50歳未満)となっており,12歳以上小児での効果及び安全性が検証されます.
Modernaは12歳以上18歳未満の小児のみを対象とした治験を進めています.
いずれも2021年3月26日時点で結果は発表されていません.
現状で健康小児への接種を急ぐ理由は乏しい
小児のCOVIDは無症状または極めて軽症であることが殆どです.
かつ,3ワクチンとも接種済み者から周囲への感染伝播を予防できるか否かが治験では確認されていません.
小児での効果と安全性が確認されておらず,周囲への感染伝播阻止効果も不明瞭なワクチンを,COVID発症リスクが低い小児に接種すべきかについては,現時点ではサイト管理者は懐疑的です.
ただし,英国等の指針にもあるように,COVID重症化リスクが高い小児については,保護者とも充分協議の上で個別の判断で接種を検討してもよいのではと考えています.
小児:日本での指針
厚生労働省は2021年1月31日現在,「新型コロナワクチンのお知らせ」において,「子どもが接種の対象となるかどうかなどは安全性や有効性の情報などを見ながら検討されます」と言及しています.
すなわち,日本では現時点では小児は接種対象には含まれていません.
なお,「医療機関向けの手引き」では16歳未満への予防接種における一般的な手順(保護者の同意取得等)について注意喚起していますが,これは現時点で小児への接種を前提としているわけではなさそうです.将来的に接種対象に含まれる可能性に備えて,保護者の同意取得等について今のうちから一般的な注意喚起をしておこうという,役所的な発想と考えられます.
小児:承認済みワクチンの添付文書記載
開発元 | 日本での製品名 | 添付文書の記載 |
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Pfizer | コミナティ筋注 | 9.7 小児等
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小児:各国での指針
以下に各国政府等の指針をまとめます.
米国 | Pfizerワクチンは16歳以上,Modernaワクチンは18歳以上で認可.それ未満の小児は認可外(接種対象外) |
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英国 | 16歳未満の小児への接種は推奨しない.重篤な神経学的合併症が原因で呼吸器感染を生じやすい小児等,およびPfizerワクチン限定で12-15歳の小児では,それぞれ接種を検討してもよい(PDF13ページ) |
カナダ | 16歳未満の小児へは接種すべきでない.12-15歳かつCOVID重症化リスクが極めて高い小児についてはPfizerワクチンの接種を検討してもよい |
オーストラリア | 16歳未満小児の接種優先順位を最後尾とした上で,もし将来的に推奨されるならば接種対象とする |
シンガポール | 16歳未満小児は効果と安全性が確認されるまでは推奨しない |
ノルウェー | 接種対象者を65歳以上高齢者または合併症のある成人に限定しているため,小児は対象外 |
スウェーデン | 18歳未満小児は現時点では対象外 |
イスラエル | 16歳未満小児は対象外 |