コロナワクチン 異なるワクチン製剤間の互換性
総論 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
|
治験+承認後研究 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
|
更新履歴
日付 | 更新内容 |
---|---|
2021年2月16日 | 一般公開 |
異なるワクチン製剤間の互換性の一般論
ワクチンの一般論として,複数回接種するスケジュールの場合は,最初から最後まで同一メーカーの同一製剤で完遂すべきというルールがあります.当然ですが,異なる複数の製剤を混在させての効果と安全性はどんなワクチンにおいても検証されていないためです.
これを「ワクチンの互換性 interchangeability が保証されてない」と表現します.
ただし,例えば転居した先の医療機関で同一製剤の扱いがなかったり,スケジュールの途中で海外に移住した等の場合は,この互換性ルールから逸脱せざるを得ません.やむを得ず,異なるメーカーの異なる製剤で残り接種回数を完遂することになります.
中には,製剤が異なると承認されている接種スケジュールまで異なる場合があります.その場合の互換性をどう担保するかは,接種担当医が個別に判断するしかありません.
新型コロナワクチンでは1回目と2回目を必ず同じ製剤で接種すべき
新型コロナワクチンは製法そのものが新規であるため,互換性については今のところ他ワクチンの経験を外挿するわけにはいきません.
すなわち,異なるワクチン製剤間の互換性が全く保証されていないため,必ず2回とも同一製剤を接種すべきです.
現実には,諸外国でも日本でも複数製剤が何らかのルートで混在しながら接種機関に配付されるようです.また,転居その他の理由で1回目と2回目を異なる機関で接種する個人も一定数いるでしょう.
1回目と2回目をうっかり異なる製剤で接種してしまうという事故を避けるために,各接種機関では接種記録を正確に行って,機関内と接種本人で共有せねばなりません.かつ,それを各自治体と政府が同じく正確に共有せねばなりません.
日本では自治体ごとに独自に運用されている既存の予防接種台帳では全国民的な記録管理が不可能という理由で,マイナンバー等による全国一律の管理の計画も報道されていますが,2021年2月5日時点で詳細は明らかになっていません.
なお,英国では3ワクチン間の互換性を積極的に検証する臨床研究を実施する計画を立てたと2021年2月4日付でプレスリリースが出されました.結果を注視したく思います.
ワクチン間の互換性:承認済みワクチンの添付文書記載
開発元 | 日本での製品名 | 添付文書の記載 |
---|---|---|
Pfizer | コミナティ筋注 | 8. 重要な基本的注意
|