コロナワクチン 新型コロナ既感染者
総論 | ||||||
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治験+承認後研究 | |||||||
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更新履歴
日付 | 更新内容 |
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2021年2月16日 | 一般公開 |
COVID既感染であっても接種は推奨
3ワクチン治験とも,何らかのタイミングで参加者にPCR検査や抗体検査をすることで,治験中(効果判定時期より前)のCOVID新規感染やCOVID既往を検出しています.いずれも全体の数%ではありましたが,安全性評価対象には組み込まれており,接種完遂前の感染または既往があっても有害事象が特に増えないことが確認されています.
また,ごく少数ではありますが,COVID感染からいったん回復した患者が再感染した事例が世界各地から報告されています.
再感染患者の多くは,2回目感染は1回目より軽症で済んでいますが,一部の患者は2回目の方が重症化しており,2回目感染時に死亡した患者もいます.抗体依存性感染増強ADEの可能性も示唆されます(COVIDで真にADEが生ずるか否かはまだわかっていません).
さらに,明確には確認されていない再感染患者(例:初回が無症状または軽症で,2回目で明らかな症状が出たため初めて検査を受けて陽性になった等)が潜在的に一定数いると考えられます.
これらを踏まえると,COVID既往が明らかであってもワクチン接種は推奨されるべきと言えます.
COVID既感染者は1回接種のみでいいかもしれない
COVID既感染者の接種順位は検討してもよい
ただし,残念ながらワクチン供給は今のところ潤沢とは決して言えず,むしろ富裕国が“争奪戦”を繰り広げる様相をWHOから批判される始末です.
WHO Director-General's opening remarks at the media briefing on COVID-19 – 8 January 2021 |
そういう状況では,COVID既往が明らかな対象者に優先的に接種を勧める理由は乏しいかもしれません.
ただし対象者の元々のCOVID感染リスクと重症化リスクによっては延期せずに早期の接種を検討した方がいいかもしれません.
米国CDC-ACIPの指針も参照してください.