コロナワクチン 三角筋への筋注手技
総論 | ||||||
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治験+承認後研究 | |||||||
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目次
更新履歴
日付 | 更新内容 |
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2021年3月26日 | 一般公開 |
非生ワクチンは本来筋肉注射すべきもの
本来ワクチンは,免疫原性をより高めるために血流豊富な筋肉に投与するのが,ワクチン学的な大原則です.免疫原性だけでなく,皮下よりも深部に接種するため疼痛や腫脹などの局所反応も出にくくなります.
ただし生ワクチンに限っては,皮下であっても十分な免疫原性が得られること,および筋肉注射には稀とはいえ神経損傷等の合併症リスクがあることから,一般的に皮下注射が選択されます.
生ワクチン以外のワクチン,すなわち“非生ワクチン non-live vaccines”は,本来筋肉注射するものなのです.
しかし日本では1960-70年代に,大腿四頭筋への解熱剤や抗菌薬の反復的な筋肉注射に起因する「大腿四頭筋拘縮症(短縮症)」が大きな社会問題となりました.これがきっかけとなり,同症の原因とはされなかったワクチンですら筋肉注射を忌避する傾向が生まれたとされています.ワクチンの治験においても,筋注が選択されず皮下注のみで行われ,その結果日本では殆どのワクチンの投与経路が「皮下注のみ」で承認されてきました.
現在日本で承認されているワクチンで投与経路が「筋注のみ」で承認されているのは,HPVワクチン,帯状疱疹組み換えワクチン「シングリックス®」,狂犬病ワクチン「ラビピュール®」のみです.HPVワクチンは積極的勧奨が差し控えられて久しいため,現在でも日本ではワクチンの筋注は殆ど行われていないことになります.
新型コロナワクチンは三角筋への筋注
既に接種が始まっているPfizerコミナティも,承認待ちのModerna,AstraZenecaも,いずれも投与経路は三角筋への筋注です.
日本ではワクチンの三角筋筋注が殆ど行われてこなかったため,多くの医師・看護師が筋注手技の経験が乏しいと考えられます.
一方で三角筋部には腋窩神経,橈骨神経が走行し,肩峰下滑液包などの構造物も近接しています.誤ってそれら付近にワクチン液を注入することで,種々の整形外科的な合併症が生じ得ます.
そこで,サイト管理者が所属する日本プライマリ・ケア連合学会 予防医療・健康増進委員会 ワクチンチームでは,安全な三角筋へのワクチン筋注手技を解説する動画を作成,公開しました.
管理者自身が出演し編集した動画です.是非ご覧ください.
日本プライマリ・ケア連合学会による筋注解説動画
『新型コロナワクチン より安全な新しい筋注の方法 2021年3月版』(14分13秒)
『新型コロナワクチン より安全な新しい筋注の方法 ダイジェスト版』(7分02秒)